◆作品紹介
廃墟化した岐阜市では殺人マシン「サイフォンマン」が血液を吸引し、「庭師」が死体を勝利の花に変換する。小島信夫はかつて「いったい岐阜とは何だ! そんなもの、この日本にほんとにあるのか?」と書いたが、本作における岐阜はもはやどこでもあり、どこでもない場所として、黒丸尚のサイバーパンク文体にのルビが与えられ、すべての未来が化する。「高層ビル群」を抜ければ「信長像」があらわれ、「三重の塔」を横目に、「企業神官」が「武装」を通して「企業神官」に変化し、「M4カービン」や「グロック17」がぶっ放される。そうして我々はまみれの世界において、《ポコチン》とともに「一直線」に「希望」に向かって走り抜ける。あるいは「絶望」へと。(編・樋口恭介)