◆作品紹介
まどろみから醒めた電車の車内で抱く焦燥感。「自分は一体どこに来てしまったのか」――しかしそこで真に問われているのは「自分は一体どこから来てしまったのか」ではなかったか。際限ない広がりを持つリミナルスペースの概念を貫くひとつの指標として、「無人の空間であること」が挙げられる場合は多い。しかし、では、その無人の空間を捉えたイメージは一体誰の目によるものだというのか。そこをリミナルスペースとして認識するためにはあなたが存在する必要があり、そこがリミナルスペースであるためにはあなたが存在しない必要がある。リミナルスペースとは因果の中有である。その意味においてあらゆる文字列もまた、因果の確定/非確定までのリミナルスペースとなる。以下の文字列はあなたに読まれる必要があり、文字列を読んでいる間、あなたは存在している必要がある。(編・青山新)