◆作品紹介
荒廃した工場、葬られたクラブの誘蛾灯に迷い込む天使、ワルプルギスのメタバースとレプリカントの天皇――V系ポストアポカリプス短歌(Visual-kei
Post-apocalyptic Tanka)なるものがあるとすれば、それはこんな姿をしているのだと思う。桜井夕也は1990年代より詩歌とサイバーゴシックカルチャーの融合を目指し活動する歌人。当時はほとんど無名だったイギリスの実験的な文化理論集団「CCRU(The Cybernetic Culture Research Unit)」を紹介し、同集団の発表する奇妙なテキストを翻訳しては自身の個人サイト上に掲載。英語圏の「セオリー・フィクション」界隈との交流を深めた。現在は短歌結社「未来」にて黒瀬珂瀾に師事し短歌や詩を書いており、2021年にはロビン・マッカイの主宰する出版社「Urbanomic」のサイトに掲載された。桜井が書く唯一無二のサイバーゴシック・ポストアポカリプス短歌、初期LUNA SEAやROUAGEなどの90年代V系バンドの詩世界も彷彿とさせる、その怪しくも美しい終末の景色に触れていただきたい。なお今回は、桜井の歌のカットアップをDeepLを用いて翻訳し、それを入力としてDALL·E 2が生成した画像をキービジュアルに、同様にMidJourneyが生成した画像群を作品間に配置した。あわせてお楽しみいただきたい。(編・樋口恭介)