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河野咲子「奇術倶楽部の女」

河野咲子「奇術倶楽部の女」

◆作品紹介

この上なくやわらかい身体を持つ「わたし」と「あゆむくん」は、稀代の人体切断ショウを披露して回る。ありとあらゆる仕方で破壊され、再生される身体。それはもはや取り戻すことのできない喪失の再演である。とっぷりと暮れた夜の底で繰り広げられるグラン・ギニョールの夢。それが悪夢か否かは知るべくもないが、美しいショウであることにかわりはない。ところで「わたし」はファム・ファタールめかしてふるまうが、この「運命」を意味する "fatale" の語源は「(神が)話すこと」だという。物語ること、それはとびきりの魔術であり、奇術である。(編・青山新)

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