loading

眞山大知「床男」

眞山大知「床男」

◆作品紹介

人間は顔で社会に接続する。だが、世界に接地しているのは顔ではない。足裏である。もしも人が足裏になれたなら、足裏という環世界では、電車、会社、ラブホテル、ファミマ、図書館、鶴見の街そのものが、巨大な接地面のネットワークとして認識されるだろう。それが人の生に救いをもたらすかどうかは別として。本作は足裏小説であり、弱者男性小説であり、会社員小説であり、同人作家小説であり、最終的には「人間であることに疲れた者が、いかにして存在論的に床になることができるか」を描いた、かなりまっすぐでゆえに普遍的な実存主義文学である。足裏というキャンバスは「人生が描きこまれる場所」であり、嘘をつくことができる顔という社会的インターフェースにはない事実の強さがそこには宿る。(編・樋口恭介)

この続きは有料会員限定です。
ログインまたはご登録、プランをご確認ください。