◆作品紹介
ゴーストライトとは、劇場の舞台で公演後や夜間に、安全のため一つだけ点し続ける電球(常夜灯)のことだという。一方で誰もいない空間を照らす性質から、劇場の幽霊を慰めるといった迷信や比喩としても用いられるようだ。幽霊とは、過去に存在していた誰かの残滓だろうか。現在の私からすれば、過去の自分などかつての存在/行為の影であり、過去の私からすれば現在の私などこれまでの人生の積み重ねから生じた影(残像)となのだろう。存在の不安定さをデジタル技術は担保してくれるかもしれないが、そこから生まれた存在もまた不安を抱くことになるのかもしれない。私は終わるかもしれないが、正しく終わりたい、という欲望も存在する。デジタル・クローン、ある種の幽霊が実装された社会では、履歴として過去(現在)が記されていく。私たちが影に翻弄されている間に、舞台の幕が上がる(降りる)。誰もいない空間でも、常夜灯は光を放っている。生命の対となるデジタル的な存在/影が私たちの担保をしている程度では、私たちの不安は拭えないだろう。(編・平大典)
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