◆作品紹介
マックの脂とコーラの糖がまず舌ではなく文章に膜を張る。女子高生の「あーね」は相槌ではない、起爆コードだ。「押井ジャイアン」は固有名ではなく寄生語で、耳から入って現実の配線を食う。セイタカアワダチソウ、野井戸の黒水、荒巻=北野の濡れた手、そして降ってくる巨体。あれらは出来事ではない、世界の表面に浮いた腫れだ。読み終えるころ、こちらが作品を読んだのではなく、作品のほうがこちらの認識をひと通り通過し、ずぶ濡れのまま放置したのだとわかる。(編・樋口恭介)
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